うしはんまぁ流ブルーローズシナリオの作り方

今回の京都行で文章化しておくべきかも、と思い立ったので突発企画。
オーソドックス(あくまで自己流)なブルーローズのシナリオを作成してみようのコーナー。
シナリオの大体の流れを組んでみる感じで紹介。

  • まずはシナリオのネタを探す。

どんなシステムでも共通のことですが、良いネタがあると作る手も興が乗ってきます。
話の核となる現象・事件と、オーパーツをまずは決めてしまいましょう。
オーパーツが決まらない、とか、そもそもあまり知らない、とかの悩みがあればルルブの一覧表を頼ると良いでしょう。旧版のほうが種類が豊富なので、可能なら旧版も参照しましょう。
候補が決まれば、上の現象・事件・オーパーツをキーワードにググりましょう(笑)
イメージが食い違えばまた選び直すか、シナリオに落とし込むときに微調整しましょう。
 

  • イベントシーン:

オープニング〜調査パート前半ぐらいまでで、ひとつ大きなインパクトのある出来事・調査結果などを提示しましょう。作成時は「出オチでもいい」ぐらいの気持ちですっぱり作りましょう
 

  • 前半部の演出、情報提示編:

オーパーツの由来や事件に関して調べるのが主な目的です。
なので、それらを提示できるだけの資料を用意しましょう。目で楽しませることを考えて、可能なら、写真や図を用意すると良いでしょう。もちろん文章ベースの資料、こちらは最悪口頭や手書きでも構いません。
でも、古文書・口伝の現代日本語訳(笑)は印刷しておいた方が無難です。
 

  • 前半部の演出、陰謀組織の顔見せ

さて、ブルーローズの公式世界にはPCたちブルーローズの他に、4つの陰謀組織があります。
これらの組織は分かりやすく色分けされており、それぞれが多面性を持っています。
つまり、必ずしも敵対するとは限らないわけです。
敵役(かたきやく)として設定されてはいますが、目的の物を奪い合う敵であったり、分かち合う事のできるライバルであったり、特定の組織が気に入らないために共闘できる関係であったり、協力しつつも化かし合いをする相手であったり様々です。
様々な役を与えうる以上、そのシナリオでの立ち位置を決めないと、動かしようがありません。
ひいてはPLを混乱させることにも繋がります。
そこを整理する意味でも、また、終盤で突然オーパーツ争奪にのみ参加されても意味がわからないため、顔見せのシーンが必要となります。
 
ここで演出すべきは、PCに対して敵対的・友好的の区別、リーダー・交渉役が誰か、の最低2点です。
 
ブルーローズ以外への感情や、なんのためにオーパーツを欲しがっているかは、決めておくべき事項ではありますが、必ずしも演出する必要はありません。
それはクライマックスとなるシーンまでに明かせば良い事項です。
 

  • 後半部の演出、争奪潜入暴走

まずは争奪について。
展開上、陰謀組織としばしばオーパーツの奪い合いとなると思います。そこで大事なのはオーパーツの起動条件です。
スタンドアローンで持ち運びできて1個持ってさえいれば良いものと、複数の鍵を遺跡の祭壇に安置しなければならないものとでは、押さえなければならない条件が違いすぎます。
 
ここで思考実験をしてみるなら、たとえばドラゴンボールの起動条件を考えてみましょう。
 
 

複数の同じような宝珠であり、7個すべてを一つの場所に揃え、起動キーワードを唱えると神龍が召喚され、願いを聞いてくる。(※どこまでの願いが実現可能かは、今回問題ではない)
補足情報としては、一箇所に揃える必要はあるが、特に場所を限定されるわけではないし、特殊な電波を発しているため専用の探知機(ドラゴンレーダー)を作成できる。また、願いを叶えたあとは、(物理的に)世界中に散らばり、約1年の間、何の変哲もない石に変質する。

 
 
とまあ、こんな特徴を備えているため、争奪するオーパーツとしてはいささか厄介な代物だったり。
複数の宝珠:これは問題ないんですが、7つもあるとキャンペーン用かな、と。単発シナリオなら多くとも4つぐらいに留めましょう。
儀式の場所を問わない:シーンの設定や戦闘シーンの配置が難しい。場所を限定した方が他組織からもアプローチしやすく(「ここに戻ってくると思っていたよ。」)、また、物を奪われていても場所を押さえれば逆転の目がある。以上の理由から、場所を設定することをオススメします。
 
探知可能:超自然的手段の場合は文句もつかないでしょうが、それを持たない陣営(主にシュープリーム、道士以外の龍三合も)の場合は少し考えた方が良いかも。
 
ここに出てこなかった要素としては複数のパーツのうちいくつかが生き物、というパターン。出しづらいヒロイン枠もこれで解消できます。
 
 

  • 潜入について

オーパーツを取りにいくのか、安置しにいくのかは問いませんが、遺跡に潜ることを指します。
そこで出会うは、屈強な番人か、知恵を試す謎か、はたまた殺意むき出しの罠か、いずれにせよ簡単にはいかないイベントがいくつか必要でしょう。
もし、ここで大幅に時間短縮を図る事態となれば、それはそれで短縮可能なシーンでもあるでしょう。
ただPCたちの覚悟を聞き確かめるだけでも良いのですから。

ダンジョンやリドルについては、できるだけオーパーツやその文明に縁のあるものが望ましいですが、難易度の調整まで考えていられないと思うので、こじつけた方がいっそ楽かもしれません。

  • 暴走について

先んじて起動されてしまったが、制御しきれていない、とか、祭壇のある部屋にありさえすれば、時限装置つきで起動する、とか、やり方はいろいろありますが、暴走することでとんでもない不利益を被ることを示唆する(想起させる)必要があります。
ここで重要なのは「フーン、それで?」と言われないような状況を作ることです。できれば自発的に「ヤバイ!止めないと!」と思わせたいところ。
 
分かりやすいところで、暴走そのものがPCたちの命の危険に直結するもの(例:元素変換装置が手当たり次第に周りのものを金属に変え始めた!)や、暴走の余波で遺跡が崩れ始める、などがあげられます。
 
 

  • 最終的なクライマックス

ここまでとにかく派手にことを進めてきたので、どうやってまとめたらいいかわからない、なんて声が聞こえてきそうですが、むしろさらに派手にやってしまうつもりでいましょう。あえて言えば、「風呂敷を広げたら、家ごと畳んでしまえ」といったところでしょうか。
わやくちゃに広げた風呂敷を畳もうとするから良いアイデアが出ないんです。そんなせせこましい考え方は捨てて、もっと大きな視点でクライマックスを演出しましょう。
その上で何がしかのアイデアが出れば、もう一度視点を風呂敷の前に(元の視点に)戻しましょう。案外どうすればいいかは見えてきます。スケールダウンさせるということに限らず、元の視点だとどういう現象に見えるか、というところに重点を置いて視てください。
 

  • 後始末

大体のセッションにおいて、すでに当初の目的が忘れ去られていることがありますが、一段落したところで当初の目的を思い出してみてください。動くべき方策と隠蔽しなければならない事件はすでに明らかなはずです。それを粛々とこなしていけば最低限、不幸にはならないエンディングにたどり着けるでしょう。PLからより上質なエンディングを提示されたら?それに乗っかるのも一興。乗らずに当初の案の方が面白いと考えるならそれはそれでよいことです。ただし、どちらにせよGMは十分な度量を持って応えるべきだとは思いますが。
 
 
 
以上で、うしはんまぁ流ブルーローズシナリオは完成です。
すべてに具体例をさしはさむと1本シナリオができてしまうので、そこまでの労力はかけませんが、大筋は上記のようなところです。
必要なものは、NPCの顔見せ&スタンスを明らかにすることと、今回のオーパーツ、今回の舞台、乱暴に言えばこれだけ作っておけば、一応回せるレベルのものは作れます。それぞれの細かい部分は作っていて(あるいは調べていて)楽しい部分なので、あとはどう驚かせるか、どうインパクトを与えるかを考えていけば、きっと面白いシナリオになるでしょう。
セッションの成功には、従属しますが決して独立はしませんので、手抜きは厳禁です。