千と一夜の

千夜一夜物語(バートン版/大場正史訳)読了。
いや、1巻だけですけどね。全11巻(^^;
 
 
 
なので、ちょくちょくゲヘナ用にリストを作成・紹介していこうかな、と。
使いでのありそうなものを抜き出してくるとして、項目は

  1. 人名(意味も込みで):意味はこことかここを参照してし紹介予定
  2. 文化・風俗的なもの:どんな商売があるか、特産品がどんなものか、とか。
  3. 衣装・装飾品:どんなものがあるか列挙+α

 
ってな感じになりそうです。エタったらごめんなさい。
よし、先に謝ったから大丈夫(違
 
 
 
でもこれだけではなんなので、ざっくりとした感想をば。
 

  • 文体は美麗で読みやすいが、話の流れは読みにくい

なぜかというと、シャーラザッド(大場訳はシャーラザッド表記、シェヘラザード表記の方が有名な気がするのは私だけ?)がシャーリヤル王に聞かせた寝物語という体裁なので、物語中の挿話がどんどん(話される)時系列で出てくるわけです。
バグダッドの軽子と3人の女を例に取ると

シャーラザッド「おお、恵み深い王様〜〜」
  (一段階目)軽子と3人の女の乱痴気騒ぎの話
    (二段階目)3人の托鉢僧の身の上話
  (一段階目)教主からの呼び出し
    (二段階目)3人の女の身の上話
  (一段階目)教主からの処罰確定〜
ドゥーニャザッド(シャーラザッドの妹)「本当に面白いお話でしたわ、お姉さま。次のお話もたいそう面白いのでしょう?」(意訳)
シャーラザッド「王様がお許しくださるのならば、次のお話を〜」
シャーリヤル王「話すがよい、すぐに話しなさい」

と、入れ子構造が2〜3段階続き、並列されるので、現在どの話を読んでいるかが、わかりにくくなっています。特に挿話が終わって元の舞台に戻ったかと思うと、「おぬしは△△のたとえ話を知らんのか!」などで、△△の話に飛んでしまうため本筋をものすごい勢いで忘れてしまいます。

「わし口挟む暇無いやん(´・ω・`)」と心の声が聞こえてきそうなほど、シャーリヤル王の扱いがひどいです。
 
ひどい王様という設定だからって気もしますが(笑)
 

  • 詩はきれいに七五調で統一

これが一番うれしいかも。昭和40年代の翻訳作品なだけあって、そういうところはしっかりしてます。
ただ、そのまま四行詩にはならないんで、よくつかうフレーズだけ拾うのがよさそう。
 
四行詩ならルバイヤートを読んだほうがいいかも。

ルバーイヤート (平凡社ライブラリー) (単行本)
パラ見したところ、平凡社は見開きごとに1連

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1) (文庫)
岩波はパラ見してないのでなんとも。こちらの方が圧倒的に安いですね。